(田島ルーフィング Newライナールーフィング)
屋根からの雨漏れを防ぐ、最後の砦となるものが下葺材(ルーフィング材)です。
屋根材は瓦からコロニアル、金属屋根材など様々な種類がありますが、屋根材がなんであろうが屋根にとって最も重要な部分がこの下葺材なのです。
【下葺材の構成】
下葺材の主な構成材料のひとつが「アスファルト」になります。
アスファルトは原油を精製して最後に残る石油製品で、皆様が最初に思い出されるものは道路の舗装に使われるアスファルトだと思いますが、実は太古の昔にエジプトのピラミッドを積み上げたときに石同士の隙間にアスファルトを詰め水が浸入するのを防ぐ目的で用いられており、防水材としてはとても長い歴史をもつ材料なのです。
一般的なアスファルトはセルフシール性があり、コールドフローにより自己癒着するといった防水に好ましい性質を持っていますが、その一方では高温で柔らかくなりすぎ低温で割れやすいという弱点を持っており、これを改善するためアスファルトにポリマー等を添加し機能を向上させた「改質アスファルト(ゴムアスとも呼ばれる)」を用いた下葺材の割合が近年増加しております。
【基材】
アスファルト系防水材料の基材には一般的に紙(原紙)が使用されてきました。
原始にアスファルトを浸透させただけのものは「アスファルトフェルト」と呼ばれ、主に外壁材の下張材に使用されておりますが、防水性を向上させるためアスファルトフェルトの両面にさらにアスファルトをコーティングし、鉱物質粉粒を付着させたものが「アスファルトルーフィング」と呼ばれ、屋根の下葺材として使用されているのです。
しかし原紙を使用したフェルトやルーフィングは風に煽られて破れやすいといった問題があり、それを解決するために原紙を合成繊維不織布で補強した下葺材が使用されるようになったのです。
さらに合成繊維不織布を基材として用いるタイプの登場により「高い寸法安定性を持ちステープル部が破れ難い」「建物の動きに対して追従する伸びがある」等の特長を持った下葺材が開発されたのです。
【下葺材の目的】
下葺材は瓦などの屋根材の裏側に侵入した雨水が下地へまわらないよう、そのまま軒先まで流す役目を果たしているのです。
屋根材(瓦など)が1次防水、下葺材が2次防水となり、両者で雨水をシャットアウトしているのです。
【雨水だけではない】
屋根からの雨漏れは雨水だけが原因とは限りません。
一般的に「コロニアル」と呼ばれるスレート系屋根材においては特に冬場に多く見られる「結露」によって発生する水分が原因となることも考えられます。
冬場はエアコンやストーブなどで暖をとられると思いますが、この暖かい空気は小屋裏へと上がっていきます。
しかし屋根上は寒いため外気温と内気温の差によって結露が発生するのです。
身近な例えでは開封したペットボトルの内側に水滴ができますが、これが実際に屋根で発生しているのです。
【下葺材の経年によっては雨漏れすることも...】
普段何気なく生活していて突然発生した雨漏り。
屋根材はコロニアル、一見すると雨が漏れるような大きなダメージがあるようには見えないのですが...。
屋根材をはがしてみると...
雨漏りの原因となる釘穴を発見しました。
下葺材を剥がしてみると、そこには雨水が侵入して出来たと思われる跡がくっきり残っています。
雨水が侵入=雨漏りではありません。
これはかなり前から雨水が侵入していたのです。
侵入した雨水と結露によって長い年月をかけ水が釘を伝って水の通り道を作ったことで雨漏りに繋がったと考えられます。
こちらは築40年近く経過した瓦屋根(和形)です。
瓦を剥がしてみると下葺材が捲れ上がり下地が露出しておりました。
これでは下葺材(2次防水)としての機能は完全に失われているのです。
【下葺材には様々な種類がある】
下葺材がいかに重要な役割を担っているのか分かったところで、続いて下葺材にはどんな種類があるのかをご紹介したいと思います。
■マスタールーフィング(田島ルーフィング株式会社)
防水性、耐久性、共に右に出るものはない最上級の下葺材で、耐用年数は従来の高耐久下葺材の2倍(約60年)の耐用年数を誇る「最強」の下葺材です。
☆これから新築をご検討される方には特にお勧めできる下葺材です。
■Newライナールーフィング(田島ルーフィング株式会社)
改質アスファルトルーフィングの先駆けとなった最高級の品質を誇る下葺材です。
軽量(17kg/巻)で表面に防滑特殊塗料を使用しているため、作業性にも非常に優れた下葺材で、大手ハウスメーカーにも採用されております。
☆弊社のリフォーム工事ではこのNewライナールーフィングが標準となっております。
■Pカラー(田島ルーフィング株式会社)
分譲住宅や建売住宅、中堅ハウスメーカなどで多く採用されている下葺材がこのPカラーです。
JIS A 6005アスファルトルーフィング940適合品となっておりますが、Newライナールーフィングと比較すると耐久性や防水性は劣る下葺材です。
ホームセンターなどでも手軽に入手できます。
■タディスセルフ(田島ルーフィング株式会社)
片面接着タイプの下葺材で主にカバー工法(重ね葺き工事)で使用する下葺材です。
貼り直しが可能な遅延粘着仕様で、施工後数時間で強固な粘着力と防水効果を発揮します
■アスヤンSB200(田島ルーフィング株式会社)
合成繊維不織布を使用した粘着層付下葺材で改質アスファルトを使用しており、新築の特に緩い屋根勾配(3寸以下)に適した下葺材です。
【下葺材の重要性】
下葺材は屋根を構成するうえで最も重要な役割を担っています。
せっかく立派な建物でも雨が漏るような建物では安心した生活を送ることはできません。
ただせっかくいい下葺材を選択しても、その下葺きの施工方法が適切でなければ当然雨漏りの原因になります。
下葺材は屋根の勾配や1次防水となる屋根材に合わせて適切な下葺材を選択し、さらに正確な施工をすることが大切なのです。