震災が発生するたびに悪者にされるのが「瓦屋根」です。
これをいいことに多くのリフォーム業者さんは「屋根は軽いほうが良い」と、ガルバリウム鋼鈑への葺き替えを勧められているようです。
しかし、重い瓦を下ろしてガルバリウム鋼鈑に葺き替えた結果、強風により建物全体が揺れるといった事例も発生しており、必ずしも屋根を軽くすることが良いとは言い切れますん。
そこで、震災を見据え瓦屋根への耐震補強のひとつとして「耐震工法」という、地震に強い棟を築くことで、被害を抑えることが出来るのです。
震災で崩れてしまった棟瓦。
既存の棟瓦を解体し、耐震棟金具を母屋垂木に固定します。
固定した棟金具の上に瓦桟を設置、最上部の桟瓦はビスや釘で全て固定しておきます。
棟金具に鉄筋を設置します。
熨斗瓦に銅線を使って、設置した鉄筋に緊結します。
南蛮入り漆喰で下地を整え、そこへ銅線を通した熨斗瓦を鉄筋に緊結します。
2段目以降も同じ作業を繰り返します。
予め鉄筋に固定した長い銅線は、棟瓦を固定するためのものです。
この銅線を棟瓦(5寸丸)の内側から表に通し、緊結するのです、
そして施工が完了。
この工法は全日本瓦工事業連盟(全瓦連)の推奨する「ガイドライン工法」に沿った耐震工法のひとつです。