【屋根修理】棟の漆喰の重ね塗りは全く意味のないんでムダな工事!正しい棟の修理をご覧ください。
「餅は餅屋」ということわざがあります。
何事においても、それぞれの専門家に任せるのが一番良いということの例えです。
今回は、リフォーム業者から勧めら瓦屋根の棟の修理を行った結果、工事が終わった後に思いもよらないトラブルに見舞われたお客様からのご相談をご紹介します。
事の発端は、庭に落ちていた漆喰の塊をお客様が発見されたことに始まります。
庭に落ちていた漆喰の塊がコレです。
施工中の写真がまとめられた報告書かわお手元にあるということで、早速その書類を拝見したのですが、その内容を見て更に驚きました。
この工事を施工したのは埼玉県越谷市にある「有限会社エコプランニング」というリフォーム会社です。
本来であれば施工した会社名などは一切公表しないのですが、工事内容があまりにも悪質なことから、あえて公表させていただきました。
既存棟瓦を撤去して...
なんと、古い土を除去しないで漆喰を塗っています。
更に、黒漆喰を塗った後に白漆喰を重ね塗りしています。
これは全く意味のない工事です。
現在流通している南蛮入り漆喰は、重ね塗りは不要なんです。
こんな工事をするのであれば、黒漆喰だけで止めておいたほうがまだマシです。
棟瓦を戻して屋根の修理が終わり…
その後塗装工事を行ったようです。しかし写真のように隅棟際の瓦はズレたまま。
棟の取り直し工事を行う場合、棟周辺の瓦を正規の位置戻してあげたうえで再固定をし直すことが必須なのですが、こちらの業者さんはそんなのお構いなしで、ただ棟を直しただけ。
この工事の見積金額です。
「下地取付」とありますが、写真で見る限りは下地は何もしておりません。
これが屋根の知識・技術を持ち合わせていないリフォーム業者さんの工事なのです。
こんないい加減な工事で約26万円、詐欺みたいな工事です。
後日、お客様がこの業者さんにクレームを出したそうです。
すると「今度はちゃんとした屋根屋さん連れてきて、きちんとした工事をしますから」と言ってきたようです。
だったら最初から正しい工事をしていれば全く問題のなかったことです。
担当営業マンが「今までこの方法でやってきたから絶対大丈夫」とまで言っているようですが、こんないい加減な仕事しか出来ないのに、なにが大丈夫なんでしょうか。
こんな被害に遭わないために...
正しい棟の取り直し工事をご紹介します
まずは既存の棟瓦を撤去、元々施工されていた漆喰や土を撤去します。
続いて棟金具を設置、そこへ防腐処理された垂木を固定します。
棟際の瓦は再固定し直します。
金具、垂木の設置が終わると南蛮入り漆喰を施工します。
棟瓦はパッキン付きのステンレスビスで固定します。
先に設置した垂木にビスが効いているのです。
なおモニエル瓦の棟瓦は、元々釘穴が2カ所あいております。
ビスを固定する際はドリルで穴をあけ直し、元々あいている穴はコーキング剤等で塞ぐ必要があります。
隅棟や本棟際の瓦は大きな地震が発生するとズレ落ちてくる可能性があるのです。
実際に東日本大震災後に伺った屋根調査では、固定されていない瓦はズレ落ちていたのです。
(東日本大震災後にズレが生じたモニエル瓦)
屋根は普段なかなか目にすることが出来ないことから、悪質なリフォーム営業の格好の的になっています。
訪問販売をしているリフォーム会社にまともな会社はありません。
そんなリフォーム会社が勧めてくる屋根工事は、ハッキリ申し上げるとお金を無駄にするだけです。
大切な住まいを守るためにも、また来るべき震災に備えるためにも、屋根の修理やメンテナンスは屋根の専門家が手掛ける、正しい屋根の修理を行うことが大切なのです。