おかげさまで多くのお客様より屋根に関するご相談・お問い合わせを頂戴しております。
お客様からのご相談が多くなるにつれ、偶然にも同じ会社でリフォームをされていることがあります。
そして、そのご相談の内容は「リフォームをしたのに屋根に不具合が発生している」という、お客様にとっては「なぜ?」という疑問や、施工会社に対する「怒り・不満」といった内容になります。
ケース1 カバー工法で発覚した手抜き工事
こちらの屋根は、数年前に新築そっくりさんでガルバリウム鋼板によるカバー工法で屋根の改修工事をされたそうなのですが...
強風の影響で棟板金が飛散してしまったのです。
こちらが落下してきた棟板金です。
こんなものが下を歩いている歩行者などに直撃したら...とんでもない大参事になるところでした。
この棟板金が飛散した原因、それは明らかな手抜き工事だったのです。
浮き上がった棟板金
板金を固定している釘は下地の材木をかすめているだけ、釘は全く効いていない状態だったのです。
お客様から住友不動産の担当者に連絡を入れたのですが、その回答は「当時施工した屋根業者が辞めてしまったのでわからない」の一点張りで、全く相手にしてもらえなかったとか。
ケース2 日本瓦の屋根修理
築30年を超えた日本瓦です。
2年程前にやはり住友不動産で屋根の修理をしたということですが、どうやら棟の漆喰の重ね塗りを行ったようです。
日本瓦の漆喰の重ね塗りが全く意味のない工事であることは、以前投稿したブログにも書かせていただいております。
これは日本瓦の葺き替え工事の際に撮影した写真です。
重ね塗りした漆喰は、経年によって剥離してしまいます。
表面だけ綺麗に見せる「漆喰の重ね塗り」は、全く意味がありません。
厚く塗られた漆喰に、コーキング処理。
漆喰の表面からのし瓦の端部までわずか5mm、本来であれば2段目、3段目ののし瓦の水を切るため、漆喰の表面は端部から30mm以上中に入ったところになければならないのです。
この状態では、将来雨漏りに繋がることは間違いありません。
瓦を剥がしてみました。
新築当時施工されたルーフィング材が縮んでしまい、野地板が見えてしまっています。
このような状態であれば、当然屋根の葺き替え工事などを提案するのがリフォームに携わる「プロ」の仕事なのですが、中途半端で無意味な棟瓦の修理をしたことで、そのときに掛かった費用(数十万円とお聞きしました)が無駄になってしまったのです。
大手のリフォーム会社だからといって、決して安心しないでください。
住友不動産、新築そっくりさんという、聞けばだれでも知っているようなリフォーム会社でも、屋根工事はこんな程度なのです。
だからと言って「大手は安心できない」ということではありません。
大手だろうが中小のリフォーム会社だろうが、その工事を手掛ける屋根工事会社さんが、屋根に関する豊富な経験と知識、そして技術を持ち合わせていれば、なにも心配する必要はありません。
どんなカタチであれ、屋根を修理・リフォームするのであれば、まずは工事内容の説明をしっかり聞いて、わからないことは何度でも質問し、納得したうえで工事を行うことが重要なのです。
そこに共通することは、明らかな手抜き工事が行われていることです。