ニチハの屋根材「パミール」において発生している様々な問題について、製造元のニチハが唯一認めていること、それは平成22年11月5日に発表された「ラスパート釘(屋根材「パミール」付属品)」に関するものだけです。
プレスリリースの文面には以下のように記載されております。
耐食性表面処理(ラスパート処理)のメッキ厚が雨水場合、正常にメッキ処理がなされた釘と比べ、経年に伴う腐食の進行が早まる可能性があり、屋根材のズレ・落下などが生じる可能性があります。
(釘の腐食が原因で発生した屋根材のズレ)
(釘の錆状況)
そして...
安全処置が必要なものについては無償での処置を随時進めてまいります。
とも記載されているのです。
「該当商品にズレなどの異常を発見された場合、当社「お客様相談室」までご連絡くださいますようお願いいたします」
と書かれているので、実際に連絡を入れてみると「ここでは対応できない」「住宅会社さんを通してください」と言われる始末です。
要は「一般のお客様からのクレームは受け付けない」と言っているようなものです。
これではなんのためにプレスリリースを出したのかわからないですよね。
パミール釘の劣化状況
私の経験上、2007年頃までの新築住宅でパミールが使われていれば釘は間違いなく錆びています。
ご自宅の屋根に、もしもパミールが使われていたら...
間違いなく釘の錆は進行し、屋根材にズレが発生する可能性が高いです。
ラスパート釘じゃなくても同じ問題が発生していた!
長く工事に携わっていると、なかなか興味深い光景に遭遇することもあります。
右の2本はパミール用釘です。
しかし左側の釘は少し短いですよね、これは当時クボタの「コロニアル」で使われるべき釘だったのです。
実はコロニアル釘でも同じ症状が発生してしまう事実が明らかになったのです。
つまり「釘のメッキ処理」といった問題ではなく、屋根材の構造そのものに問題があり、結果として「釘が錆びる」ことによって屋根材にズレ・脱落が発生してしまうのです。
ニチハの対応は?
これに対しニチハの対応は築10年を超えていると...
「10年を超えてますから責任はない」という感じの対応です。
築10年を過ぎていようと、プレスリリースに「ズレなどの異常を発見された場合、当社「お客様相談室」までご連絡ください」と記載されておりますので、ご自宅の屋根がニチハのパミールであれば一度は連絡を入れられ、まずは屋根の調査を依頼さっれることをお勧めします。
これは築10年を過ぎていても関係ありません。
何故かと申しますと、2007年までの物件は、ほぼ間違いなく釘に錆が発生しているからです。
屋根材がズレてこないのは下地のルーフィング材にパミールがひっついているかいないかだけの問題なのです。
釘に問題が発生している以上、いつ屋根材がズレて脱落してくるかわかりません。
ニチハのパミールには、塗装以外の改修工事(リフォーム)が必ず必要になります。
この改修工事の費用を少しでも補償してもらえるよう、お客様ご自身で行動を起こすことが大切なのです。