【ゴリラ・警視庁捜査第8班】
1989年4月2日から1990年4月8日まで、テレビ朝日系で放送された石原プロモーション制作の刑事アクションドラマで、「ただいま絶好調!」以来、石原プロモーションが3年半ぶりに制作したテレビドラマで、「西部警察」の姉妹的な位置付けを狙って製作されたドラマでした。
西部警察ではマシンXやスーパーZなど、特殊装備を備えたスーパーマシンが製作・投入され番組の人気を支えていましたが、ゴリラでは三菱自動車の製作協力によって最新鋭のメカニズムが搭載された車両が使用されておりました。
なおこれらの改造については三菱自動車の乗用車特装部が技術担当、東芝、スタンレー電機、佐々木電機製作所、テスト&サービスが製作協力をしていました。
【三菱・スタリオン 2600GSR-VR ガルウイング仕様】
コードナンバーはG2。
舘ひろしさん演じる伊達健の専用車で、ボディはガルウイング仕様に変更されております。
【主要装備】
(通信管制システム)
●秘話通信
①バースト通信 ②周波数変換
●ナビシステム
①位置判定システム
②慣性航法システム(加速度を利用した走行装置)
③地区別道路情報表示システム
④天候予測(精度の高い天気予測システム)
⑤逆探知システム
⑥妨害電波・信号管制(敵発電波の妨害、追跡・逃亡時の信号機強制管制)
●一般照会
①音声通信
②文字通信
③特殊無線機
④UHF・VHF発信
●早期警戒システム
①敵味方識別装置
②生命体探査装置(生命体の体温を感知し、建物に潜む敵・捕らわれた人質らの発見に使用)
●車載レーダーシステム
①全方位追尾システム(機関銃発射口から特殊弾を敵の車・ヘリに向けて発射し追尾する。
②逆合成アパーチャーレーダー(目標佛の動きによって二面図を捉えるレーダー)
③バルスドップラーシステム(時間的に断続する電波を使用し、敵の動きを音によって捉えることができるレーダー)
④レーダーホーミング識別装置(敵がレーダーを使用している場合、その電波を信号媒体として追跡するシステム)
⑤超高画質VTR
⑥超小型ビデオカメラ
⑦高感度集音マイク
⑧IR夜間撮影装置
●武器管制システム
①HUD照準システム(運転しながらガン攻撃ができるように、運転者のアイポイントをフロントガラスに埋め込まれた特殊センサーが感知し、銃口を連動させるシステム)
②車体防御システム
③敵レーダー吸収ステルスボディー(敵の探知を妨害する車体構造)
④危険予知警告装置
⑤亜酸化窒素ブースター
⑥7.25mmバルカン砲(2000発/分の能力を持つ)
(2016年1月に開催された調布市政施行60周年記念事業「石原裕次郎展」にて。
車体剛性を向上させるためサイドシルは補強されている。
ガルウイングはモーターと油圧シリンダーの伸縮させて開閉する。
フロント側のダンパーはドアの位置決めも兼ねた補助ダンパー。
ステアリングはノーマル。
センターコンソールには無線機や各種スイッチ類が配置されている。
フロアコンソールには自動車電話、武器管制システムや衛星利用システムなどのスイッチが配置されている。
グローブボックスにあったラップトップパソコンはすでに撤去されている。
(調布市で開催された石原裕次郎展にて)
後部座席のところはガルウイングドア開閉のための装置が取り付けられているため乗車定員は2名。
パトライトは着脱式。劇中では車内ダッシュボードに置かれているときもあった。
放送当時はフロントバンパー下部に7.25mmバルカン砲が装備されていたようだが、現在は取り外されている。
助手席側のフロントバンパーにはテープで補修された痕がある。
タイヤサイズはフロント205/55-16、ホイールは純正。
リアは225/50-16、アドバン HF-typeDが装着されている。
ちなみに当時国内初の50タイヤ標準装着車だったとか。
エンジンは2.6リッター、インタークーラーターボを装着した2バルブエンジンのG54B型。
現在は東京・府中市にある村山商事さんで西部警察の車両たちと一緒に大切に整備・保管されております。