築10年~15年の間に行われるリフォーム工事、外壁塗装と一緒に屋根の塗装を勧められることが多いのではないでしょうか?
しかし「絶対に塗装をしてはいけない屋根材がある」という事実を、塗装業者さんの中でご存知なのはごく少数の方だけのようです。
スレート系屋根材、一般的には「カラーベスト」「コロニアル」と呼ばれていますが、今回はかつて松下電工から発売されていた「レサス」という屋根材を塗装した結果、どのような症状が発生してしまったのかご紹介したいと思います。
松下電工 レサス
松下電工(現:パナソニック)の屋根材「レサス」は、平成11年~平成18年9月まで製造されておりました。スレート系屋根材「カラーベスト」「コロニアル」と呼ばれる製品に含まれていた石綿(アスベスト)を含まない屋根材として新たに開発された屋根材です。
しかし経年によって屋根材にクラック(ヒビ割れ)が発生し、屋根材が割れ、欠片が落下するなどのトラブルが多く発生しております。
こちらの写真は築12年で塗装歴のない松下電工のレサスです。縦にヒビが入っているのがご覧になれると思います。
そして、松下電工のレサスに塗装をした結果、数年後には...
実際に塗装された業者さんにお話を伺うと「塗装工事中にも屋根材が割れたので直しながら塗装をしていた」とのことでした。
松下電工のレサスは、経年と共に屋根材にヒビが入り屋根材が割れて欠片が落下してくる危険が潜んでいます。
塗装をしていない状態であっても割れていることが多いのです。
屋根塗装の前には入念な点検が必要です
松下電工の「レサス」に限らず、築10年~15年前後経過したスレート系屋根材は、クラックや屋根材の割れが発生しやすくなっております。
クボタではアーバニー、コロニアル、グリシェイド、ザルフ、ザルフグラッサ、松下電工ではシルバス、ニチハではパミールなど、スレート系屋根材は様々な製品が発売されておりました。
これらのスレート系屋根材を全て「カラーベスト」「コロニアル」と呼ばれている塗装業者さんをお見受けするのですが、製造メーカー、屋根材の種類によって不具合の症状に違いがあるのです。
特に屋根を塗装されるときには事前に屋根の調査・点検を実施することがトラブルを未然に防ぐことができるのです。
なかには屋根も見ないで建築図面の仕様書に記載されている屋根材だけで判断されることもあるようです。
しかし分譲住宅や建売住宅の場合、仕様書に「カラーベストコロニアル葺き」と記載されていても、実際に使用されていた屋根材はニチハのパミールだったというケースが数多くございました。
大切な住まいを長持ちさせるために行うリフォーム、屋根をリフォームするのであれば屋根に特化した屋根専門業者に事前の点検を依頼されることを強くお勧めします。