ニチハ株式会社から販売されていた屋根材「パミール」は、施工後10年前後で屋根材本体の端部から徐々に表層剥離が発生し、ボロボロになってしまう屋根材であることはすでに周知の事実です。
このパミールへの改修工事として、アスファルトシングル「アルマ」という屋根材や、ガルバリウム鋼板の屋根材を使った「重ね葺き工事(カバー工法)」を、多くのリフォーム会社さんが推奨しておられます。
(アスファルトシングル「アルマ」による重ね葺き工事)
(ガルバリウム鋼板「横暖ルーフ」による重ね葺き工事)
これら重ね葺き工事(カバー工法)の最大のメリットは、既存パミールを撤去する必要がないため、撤去費用や廃材処理費用を抑えることが出来ることです。
では、重ね葺き工事で「費用を抑えた」ことによって誰がトクをするのでしょうか?
ニチハのパミールに限らず、築年数が10年前後の不具合が発生している屋根材(コロニアル・グリシェイド・レサス・シルバスなど)に対して行われる重ね葺き工事は、廃材の処理を少し先へ先送りにしているだけなのです。
重ね葺き工事をしたことで、いずれ「葺き替え工事」が必要な時期が必ずやってきます。その時に今回先送りした廃材の処理は誰が負担するのでしょうか?
それはご自身とご自身のご家族(特に家を引き継ぐお子様)に降りかかってくるのです。
将来ご自身のお子様に「負の財産」を残したいですか?
ご自身のご家族の幸せを考えるのであれば、重ね葺きではなく「葺き替え工事」が賢明な選択と言えるのではないでしょうか?
パミールに発生している問題は表面だけではなかった...
また、パミールに発生している問題は表面の剥離といった目に見える場所にだけ発生しているのではありません。
パミールは他社のスレート屋根材(コロニアルなど)に比べ内部結露が発生しやすすい傾向にあります。
(パミール表面に発生している結露)
(パミールの裏側はこんなに結露が発生しております)
このような症状が発生しているパミールを撤去せず、カバー工法で新しい屋根材を施工しても、パミール内部に発生する内部結露は止めることはできません。
またパミール釘の状態も気になるところです。
パミールに無償支給された「ラスパート釘(38mm)」は経年によって錆が発生し、これが屋根材の脱落の原因とおります。
しかしラスパート釘ではなく、コロニアル用釘(32mm)を使った場合でも同じように錆が発生し、釘は痩せ細っているのです。
この状態が分かっていてパミールの上から新しい屋根材を被せると、新しい屋根材を固定する釘やビスも、将来的に同じように錆が発生し写真のように釘が痩せ細ってしまうことは十分考えられます。
そしてカバー工法による最大の問題、これは屋根の重量が重くなってしまうことです。
その他にも様々な問題がある「重ね葺き工事(カバー工法)」ですが、では不幸にもご自宅の屋根がパミールやその他不具合の発生する屋根材だった場合、本当に正しい改修工事はどんな方法なのでしょうか?